院長あいさつ


「患者さん中心」の医療を実践します。

当院はかかりつけ医(紹介医)と病院担当医が協力して最善の医療を提供する、いわゆる紹介型・共同利用型病院形式の2次病院として1986年に開院しました。宗像医師会が設立した他の共同利用施設(健診センター、介護老人保健施設「よつづか」、訪問看護ステーション、ケアプランサービス、在宅医療連携拠点事業室、病後児保育施設など)の中核施設の役割を果たしています。


2000年に福岡県初の地域医療支援病院の承認を受け、宗像地域における急性期病院として、地域の皆様や地元自治体の要望に応えてまいりました。幅広い疾患に対応しながら、地域に欠かすことのできない専門性の高い医療を提供していくことを目指しています。内科はほぼ全診療領域に対応して消化器、呼吸器、循環器疾患、糖尿病、腫瘍内科、血液疾患、膠原病・リウマチ性疾患などの入院診療を担っております。特に、膠原病・リウマチ性疾患では福津・宗像市以外の患者さんにも受診いただいています。腎内科では地域で最大の人工透析センターを運営すると共に腎不全の予防にも努めております。外科は消化器(上部・下部消化管と肝・胆・膵、ヘルニア)および乳腺疾患に対応しております。腹部の手術は基本的に腹腔鏡で行なっており、一定の技術が必要ですが、開腹術と比べて術後の痛みが少なく回復が早い特徴があります。小児科では2020年4月から入院の受入れを12年ぶりに再開しました。宗像地域で子育てをされている住民の皆様の安心に少しでも寄与していきたいと思います。放射線科ではCT、MRI、上・下部消化管内視鏡などを用いて、かかりつけ医から依頼のある全身の画像検査に迅速対応すると共に、胃や大腸のポリープや早期がんの内視鏡的治療も行なっています。


がん患者さんの増加は現在社会問題となっております。特に2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックがおこったことでがん検診を控える方が増え、早期がんの発見が減っているとの報道もありました。今後進行がんの増加が心配されるところです。当院では消化器がん、乳がんを中心に検診、診断、治療(手術、内視鏡的切除術、抗がん剤など)、そして緩和ケアまでを各科が協力して行なっています。抗がん剤治療は腫瘍内科医と外科医が協力しながら行なっています。緩和ケアにつきましては、福津・宗像市唯一の緩和ケア病棟を2014年に開設し、さらに緩和ケア外来も行っております。


宗像医師会は2012年より在宅医療連携拠点事業(むーみんネット)を立ち上げ、地域における在宅医療の在り方を検討し実行してきましたが、当院も後方支援病院としての役割を担ってきました。また、2014年には地域包括ケア病棟を開設、多職種が協同して在宅医療との連携を強くしました。退院後も住み慣れた場所で安心して生活できる在宅生活と社会復帰の支援をしています。


新型コロナウイルス感染症が今後どのようになっていくのかまだ不透明な点もありますが、感染防止対策を行ないながら地域の皆様に安心と満足をお届けできる病院を引き続き目指してまいります。


2023年4月1日

宗像医師会病院 院長 伊東いとう 裕幸ひろゆき