宗像医師会病院腎センターは宗像地区およびその周辺地域である粕屋、鞍手、遠賀等の医療圏で、福岡東医療センターとともに腎臓疾患を専門としている医療機関です。腎臓病発病の初期から腎不全の末期に至るまで幅広く治療を行っており、九州大学医学部第2内科腎臓研究室との連携のもと、腎臓病専門医4名が常勤診察を行っています。
宗像医師会病院腎センターでは月曜日から金曜日まで毎日腎臓専門医による外来診療を行っており、健診や学校検尿などで血尿や蛋白尿などの異常が見つかった場合には、早期発見、早期診断、早期治療の原則にしたがって、その異常が病的であるかどうかを確かめ、必要に応じて精密検査を行います。精密検査は入院して頂くことが必要で、腎生検を含めた検査を行います。クリニカルパスに従った7~13日間の標準的入院期間が設定されています。腎生検による組織診断の結果に基づき、予後の推定、治療方針の決定を行います。
現在、日本では、腎臓病に関しては、腎炎や糖尿病腎症、腎硬化症などの病気が主要なものとなっています。当院では進行性あるいは活動性の高い腎炎に対してはEBMに基づいた治療方法をお話しし、インフォームド・コンセントにしたがい副腎皮質ステロイドホルモンや免疫抑制薬などによる治療を行っています。必要に応じて扁桃腺摘出をすすめることもあります。
慢性腎不全が進行し、検査結果が悪化したり、尿毒症の症状が出現したりすると、どうしても透析治療をしなければならなくなります。宗像医師会病院腎センターでは、高度の慢性腎不全ではあっても、まだ尿が出ているのであれば、尿がでていることを大事にする意味から腹膜透析を提案しています。この治療方法は、透析とは言え、これまでの透析をしてないときの外来通院治療と同様に、原則として毎月1回の通院で済みます。
腹膜透析、別名CAPD(シー・エイ・ピー・ディと呼びます)は、透析治療を始める方には、それまでと同様に尿が出続けます。この点から、宗像医師会病院腎センターではまず、腹膜透析を始めます。このことをPDファーストといい、日本全国でも積極的に取り組む数少ない医療施設の一つです。現在、当院では毎年約10名前後の方がCAPDを始め、約20~30名の方のCAPDを継続して行っています。
腹膜透析には治療期間に限りがあり、宗像医師会病院腎センターではこの時期を4~7年と考えています。よって、この期間を経過した後は、血液透析治療へと移行することになります。
宗像医師会病院腎センターでは、附属クリニックと合わせて、現在約150名の方が血液透析治療を受けられています。血液透析療法は、週3回の外来通院が必要で、当院では原則として1回5時間の透析治療を行っていますので、通院に費やす労力は大変なものになります。少しでも通院の便を図るため、赤間地区に宗像医師会病院腎センターの附属クリニックとして、外来治療専門の赤間腎クリニックを開設しています。赤間腎クリニックの方が通院するのに便利がよい方には赤間腎クリニックでの透析治療をお勧めいたします。宗像医師会病院腎センター、赤間腎クリニックともに同じ方針で治療を行いますので、どちらで透析治療を受けられても違いはありません。宗像医師会病院腎センターは月水金が朝8時30分からの一部透析と、午後2時からの二部透析があり、火木土は朝8時30分からの一部透析を行っています。 赤間腎クリニックは月水金、火木土共に朝8時40分からの一部透析のみを行っています。