外科

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胃や大腸、肝臓などの消化器や乳腺を中心とした外科治療をおこなっています。特にそ径ヘルニア、大腸がん、胃がん、胆石症に対しては90%が腹腔鏡手術です。腹腔鏡手術は内視鏡という細いハイビジョンカメラを使っておこなう繊細な手術です。腹腔鏡手術は、傷が小さく、痛みや出血も少ない、身体にやさしい手術です。手術後の回復も早いので安心して受けることができます。



当院の外科スタッフは、祇園智信(肝胆膵外科部長)、堤敬文(外科部長)、中西充と、緩和医療を担当する河野麻優子の常勤医4名と、乳腺外科担当の前川宗一郎(非常勤)の5名です。スタッフは、日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本がん治療認定機構認定医、日本乳癌学会認定医等の資格を有しております。
患者さんにやさしく、あたたかい医療をモットーに、質の高い医療を行っています。


当科では、消化器外科(胃、十二指腸、大腸、直腸、肝臓、胆嚢、胆管、膵臓、脾臓、ヘルニア)、乳腺外科を中心とした外科治療に従事しています。
特に悪性腫瘍(癌など)に対しては、内視鏡外科手術、抗癌剤治療(外来化学療法、短期入院化学療法)、放射線治療(他院協力)を含めた集学的治療を行っています。
また、専門外来として、水曜日午後には血管外来を開設しています。


手術では腹腔鏡(ふくくうきょう)手術を積極的に取り入れています。
2023年に行われた胃癌・大腸癌手術、 虫垂炎手術、 胆嚢炎手術、鼠径部 (そけいぶ) ヘルニア手術は約90%を腹腔鏡手術で行っています。当院では同じチームで腹腔鏡手術を行っていますので安全性を向上させることができています。開腹手術と比べても出血量が少ない安心な手術を行っています。


外科治療に際しては、毎週放射線科との合同術前カンファレンスを行い、さらに患者さんの全身状態・病態などを検討し、十分な病状説明を行った上で、患者さんおよびご家族のご希望を十分に考慮して、適切な治療を行うことを目指しています。宗像地区の基幹病院として地域開業医の先生方と密接に連携し、救急患者さんの診療も含めて幅広く対応し、地域に根ざした医療を目指します。


胃がん・大腸がんに対する診療

胃癌、大腸癌で手術が必要な方は可能な限り早期に手術を行います。初診から手術までの期間は、通常2週間程度です。また、手術は腹腔鏡手術を基本として行っています。

2023年の胃癌や大腸癌に対する手術では約90%の症例が腹腔鏡手術でした。放射線科、腫瘍内科と綿密に連携し、最適な治療を提供します。循環器内科、腎内科、膠原病内科、糖尿病内科とも連携し、併存症を有する場合やご高齢の患者様でも安全に手術が行える体制をとっております。


腹腔鏡(ふくくうきょう)手術 ~小さなきずで優しい手術~

おなかには5か所程の小さな傷がつきます。おへそから腹腔鏡(カメラ)を挿入しておなかの中をテレビモニターに映します。専用の細い手術機器を使って手術を行います。モニターでおなかの中を拡大して手術を行いますので、正確で繊細な操作が可能となります。細い血管も見えるため少ない出血量で安全な手術を行うことが出来ます。おなかの傷が小さいため、美容面で優れていることはもちろんですが、開腹手術と比較して術後の痛みが少なく回復が早いといった特徴があります。腹腔鏡による手術は体への負担が少ないことから患者さんには優しい手術ではありますが、実施にあたっては一定の技術が必要となります。当科では日本内視鏡外科学会技術認定医を中心としたチームで手術を行っていますので、安全性は高く、手術数も年々増加しています。


そけいヘルニア(いわゆる脱腸)とは

そけい(鼠径)ヘルニア(いわゆる脱腸)は、足の付け根のところがふくらんだり痛みを生じる病気です。

そけいヘルニアが起こるしくみですが、おなかの壁が加齢とともに弱くなることで、おなかのなかの内臓がとびだし、結果的に足の付け根がふくらむ状態となります。


そけいヘルニアに対する腹腔鏡(ふくくうきょう)手術 ~高齢でも大丈夫?~

鼠径(そけい)ヘルニア(いわゆる脱腸)に対する手術も、当科では腹腔鏡手術で行っています。テレビモニターに拡大した映像を見ながら手術を行いますので、正確性、安全性が向上するメリットもありますが、鼠径部ヘルニア手術の際はその原因の同定を確実にできる事が大きなメリットです。腹腔鏡手術であれば同時にいくつかのヘルニア(内鼠径・外鼠径・大腿ヘルニア)が存在していても、そのすべてを一度に確認する事ができますので、見落としによる再発を防ぐ事ができます。手術が難しいとされる閉鎖孔ヘルニアに対しても開腹を行わずに確実な手術が可能となります。術後の痛みが少ない事も大きな特徴です。

ご高齢の方に対して、命に関わらない鼠径部ヘルニアの手術は意義があるのでしょうか?お腹に力が入る事で鼠径ヘルニアの症状は悪化しますので、手術を行わなければ日常生活が制限されることがあります。ですから身体活動の維持のためにも手術を行う意義は十分にあります。鼠径ヘルニア手術は合併症が非常に少なく、ご高齢の患者さんに対しても安全です。また、アメリカにおける約2万人の患者さんを対象とした調査では、80歳以上の患者さんに対する鼠径ヘルニア手術は安全に行えるものの、ヘルニア嵌頓(とびだしたヘルニアがもとにもどらなくなる状態)により緊急手術となった際には死亡率が非常に高くなるため、高齢であっても準備された予定手術がおすすめ、という報告もあります(Wu JJ. et al, Hernia. 2017;21:51-57)。

全身麻酔に耐えられる体力がある事は前提となりますが、鼠径ヘルニアでお困りでしたら、一度当院へご相談ください。


主に取り扱う疾患

消化管

悪性疾患 胃癌、大腸癌、直腸癌など
良性疾患 ヘルニア、急性虫垂炎、腸閉塞、消化管穿孔、尿膜管遺残症など

肝・胆・膵・脾

悪性疾患 原発性肝癌、転移性肝癌、胆管癌、胆嚢癌、膵臓癌など
良性疾患 胆石症、総胆管結石、脾腫など

手術以外でも、総胆管結石に対する内視鏡的切石術や、閉塞性黄疸に対する経皮経肝的胆道(胆嚢)ドレナージ術、内視鏡的経鼻胆道ドレナージ術、胆管ステント挿入留置術などを積極的に行っています。


乳腺

悪性疾患 乳癌など

乳癌については病状・治療法を説明した上で、患者さんの希望に沿って、乳房温存術や乳房切除術を行っています。


その他

下肢静脈瘤、閉塞性動脈硬化症(ASO)など

水曜日の午後は九大病院からの非常勤医師による血管外科外来を開設しています。
足の静脈瘤でお困りの方や、足の冷感や長距離歩行で足が痛くなる、などの症状がある方は気兼ねなく受診してください。


2023年外科手術症例 225例
( )は腹腔鏡手術症例数

臓器・疾患 手術症例
胃・十二指腸 21例    
胃癌 20例 胃全摘術 3(2)例
    幽門側胃切除 10(10)例
    局所切除(LECS) 1(1)例
    審査腹腔鏡 5(5)例
十二指腸GIST 1例 局所切除 1(1)例
小腸・大腸 64例    
結腸・直腸癌 44例 結腸切除 32(28)例
直腸切除 11(11)例
腸閉塞 3例 腸切除・癒着剥離 3(3)例
虫垂炎 15例 虫垂切除 15(15)例
腹腔内腫瘍 1例 ドレナージ 1(1)例
直腸脱 1例 直腸脱手術 1(0)例
肝臓・胆のう 38例    
胆のう・胆管結石 31例 胆嚢摘出 31(30)例
肝臓癌(原発・転移) 6例 肝切除 6(1)例
肝のう胞 1例 開窓 1(1)例
乳腺 7例    
乳癌 7例 乳房切除 6例
乳房温存 1例
ヘルニア 76例    
鼠径部ヘルニア 68例 修復術 68(59)例
閉鎖孔ヘルニア 1例 修復術 1(1)例
腹壁ヘルニア 7例 修復術 7(3)例
その他   CVポート埋込・抜去 18例

患者さんへ【専門医制度と連携したデータベース事業について】

患者さん目線の良質な医療を提供し、医療の現状を把握する目的で関連する臨床学会が連携して、この度「一般社団法人National Clinical Database」を立ち上げ、データベース事業を行っています。

この法人における事業を通じて、患者さんに適切な医療を提供すための専門医の適切な配置や、最善の医療を提供するための臨床現場の取り組みを支援することが可能になります。 何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、詳しくは下記のホームページをご参照願います。

National Clinical Database  
http://www.nc.or.jp/


研究情報の公開

通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。
臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、「対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありません」が、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開し、さらに拒否の機会を保障することが必要とされています。


研究に関する情報について、下記リンク先に公開しております。ご参照下さい。

【情報公開】実施中の臨床研究(PDF)