高齢者進行・再発胃癌に対する1次治療としての S-1+ラムシルマブ療法の多施設共同第 II 相試験(KSCC)
研究の目的
高齢者進行・再発胃癌に対する1次治療としての S-1+ラムシルマブ 療法の多施設共同第 II 相試験 進行した胃がんの治療法として抗がん剤による治療が行われます。ティーエスワン、シスプラチン、オキサリプラチンのいずれかを組み合わせた治療が標準的であり、SP療法(ティーエスワン、シスプラチン)、SOX療法(ティーエスワン、オキサリプラチン)が一次治療として標準的に用いられております。これらの治療法には免疫に関する細胞が少なくなったり、手のしびれが生じたり、食欲がなくなったりする副作用があることが知られています。ご高齢の方では、これら副作用が強くでることがあり、注意が必要です。そのため、70歳以上の高齢者の患者さんには、標準的な治療法より副作用が少ない治療法を選択することがあります。副作用の少ない治療法として、ティーエスワン単剤療法を選択することが一般的です。ただし、効果の面ではSP療法やSOX療法といった標準的な治療法より劣る可能性があります。今回用いるティーエスワンとラムシルマブの併用は、ティーエスワン単剤療法より効果が高い可能性があり、かつ標準的な治療法よりは重篤な副作用が少ないと思われるため、胃がんの初回治療として有望な選択肢となる可能性があります。
この臨床研究目的は、胃がんの患者さんに、ティーエスワンとラムシルマブの併用療法を行い、その効果と安全性を調べることです。この臨床研究を実施するにあたり、患者さんの人権と安全性の確保について最大限の配慮が必須とされます。この臨床研究の情報は、大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)研究センター等が設置している公開データベースに登録しています。
本研究は、国が定めた「臨床研究に関する倫理指針」を遵守し、当院での医療倫理委員会(臨床研究の実施または継続について、倫理的観点及び科学的観点から、及び審議する委員会)においてその科学性・倫理性について厳重に審査され、病院長の承認を受けて実施されます。
研究の対象者について
切除不能または再発高齢者胃癌でPS0-1、年齢70歳以上
未治療、HER2陰性の条件を満たすもの
実施場所・期間
実施場所:宗像医師会病院
期間:平成29年9月~平成31年8月
研究の方法について
臨床試験についての説明を行い、患者様に研究の内容をよく理解していただいた上で、研究の参加についてご依頼しています。 患者様が臨床研究参加に同意された場合、本研究の同意書を用い患者さまご本人による署名を得ています。研究を行う際はカルテおよびDPCデータより患者背景、検査結果、治療効果などの情報を取得し、有効性と安全性の検証に役立てます。
個人情報の取扱いについて
KSCC(Kyusyu Studygroup of Clinical Cancer)では個人情報および診療情報などのプライバシーに関する情報は個人の人格尊重の理念の下、厳重に保護され慎重に取り扱われるものと認識し、万全な管理対策を講じ、プライバシー保護に努めます。
基本理念「最善の治療法をより多くの研究対象者へ提供すること」に従い、「臨床研究の正しい結果を得るために治療中だけではなく、治療終了後も長期間にわたり研究対象者個人を特定して調査を行うこと、および取得した情報を適切に管理すること」を目的として、研究対象者の個人情報を利用いたします。
情報の保管等について
本試験究で登録・データセンターに収集された症例報告書・その他文書類の試料・情報は、当該研究の結果の最終の公表について報告された日から10年が経過した日まで保管されます。
また、本試験の解析のために固定されたデータは、CDに記録され、当該研究の結果の最終の公表について報告された日から10年が経過した日まで保管されます。保管期限の過ぎた文書類およびデータ等は、機密文書処理業者に委託し破棄されます。
宗像医師会病院 外科 前川 宗一郎
TEL:0940-37-1188
E-Mail:ikyoku@munakata-med-hp.gr.jp